配線作業の道しるべである、信号名(線番チューブ、マークチューブ)の話をします。もう、20年も前の事ですが、私が制御盤製作の製造に就いた頃、動力線には、赤・白・青の端子キャップを、信号線には製造作業者自らが目印として1・2・3(あくまで例ですが)と番号を振り(線番チューブと言われる語源)ケーブル加工から結線まで一括して行いました。ある程度のレベルに達しないと解読出来ない制御盤自体がブラックボックス的な存在でした。現在は、シーケンサがブラックボックスの役目を果たし、それ以外は量産化に向けオープンになり、誰でも製造、変更が可能な方法としてマークチューブ(印字機の性能向上により記号化)の信号名に意味を持たせる事が出来る様になりました。信号名で何の為の何処へ繋がっている線か解読出来るのですから、作業性向上に最適です。

ただ近年意味を詰め込みたいばかりに、通常20mm設定に収まらず50mm近くに成る物や2段にせざるを得ない依頼を受けます。依頼通りの製作を心掛けてきましたが、先日不具合として「1文字足りない。」と注意を受けました。プロとしての対応を求められ1字1句確認した事を証明するチェックシートを作成しました。たとえ1000分の1でも不具合は真摯に受け止め完璧な対応を心掛けます。何のための信号名か、最後までお読み頂いた設計者の方にご検討頂ければ幸いです。

執筆 大迫電気 K