Before (改善前)

同一ルートに制御ケーブルと動力ケーブルを離して実装

ノイズ対策として一般的なのが、動力回路と制御回路の分離配線です。基本的には配線ルートを二系統に分け、動力と制御の信号が極力並行して配線されない様にする事が好ましい方法です。しかし、全ての配線ルートを完全に分離する事は現実的には困難で、どんな装置でも数ヶ所は同じルートを通ってしまう部分が出てきてしまいます。そのような部分は短い距離なので気に掛ける方も多くないかもしれませんが、大きな容量の動力線から商用周波数ノイズ等を制御信号が貰ってしまい、機器に悪影響を及ぼしてしまう事が多々あります。

V

After (改善後)

動力ケーブルと同一ルートの制御ケーブルだけを遮蔽して実装

やむを得ず制御信号と動力信号を同一ルートで実装しなければいけない場合は、制御・動力のケーブル同士を極力離して実装する事が基本です。しかし残念な事に、ほんの数十センチの短い距離を並行して実装してしまったが故に、機器の誤動作を招いてしまったと言う例が多いのも事実です。また、筐体の外に出るケーブルの場合、外部からの電磁ノイズの影響も受けやすいため別の対策が必要です。このような場合、ノイズの影響が懸念される部分をシールドチューブで覆う事で一定の効果が得られます。更に、後付け可能な部材なので、原因が特定出来ていない場合に試しに使ってみる事も可能です。

POINT(要約)

一般的にシールドの接地抵抗が小さい方が高い効果が得られると言われていますので、この様なシールド処理を施す場合は、遮蔽している金属素材に半田付け等で片側接地をする事が推奨されています。しかし、原因が分からないうちに本格的な対策を講じても徒労に終わってしまう事もあるため、この方法で問題部分の見当をつけてから恒久的な対策をとるのも一つの手段です。