Before (改善前)

接地によるアース接続では防げない「空間ノイズ」による機器への悪影響

接地によるアース接続には二つの目的があります。「漏電対策」と「電気ノイズ対策」です。漏電対策には高い効果がありますが電気ノイズに対しては防げないものがあります。電気ノイズには筐体等を通して伝播する「伝導ノイズ」と、空間等を通して伝播する「空間ノイズ」の2種類があります。「伝導ノイズ」に対しては、ノイズ発生源となる大電力機器の回路ごとにアース接続を分ける、機器を取り付ける際に絶縁体やスペーサー等を用いて中板から浮かせる等の対策で防ぐ事が出来ます。しかし、「空間ノイズ」に対しては上記の対策では不十分です。空間を通して伝播してくる小さなノイズを受け取ってしまう事で精密機器は誤作動を起こしてしまう事があるのです。

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After (改善後)

遮蔽板を使用した空間ノイズに対する受け側の対策

空間ノイズに対して対象物を金属等の良導体でシールドする事が有効です。取り付ける面、回路の外側両面をシールドする事で外部で発生する「空間ノイズ」から回路を守り内部で発生する「空間ノイズ」を抑制する事が出来ます。銅や銀がシールド性能の高さは優れていますが錆びやすい等のデメリットがあるのでステンレス鋼を用いる事で十分なシールド性能を持ちながら長期的な運用を実現しています。遮蔽板にグラウンドによるアース接続をする事で静電誘導、電磁誘導を遮断する事ができノイズをスムーズに流す事により受け側の装置における「空間ノイズ」からの悪影響を軽減する事が出来るようになります。

POINT(要約)

装置内では、様々な機器が動作しており高周波を扱う機器やスイッチングによる「空間ノイズ」が発生し周辺の機器へ悪影響を与えています。「空間ノイズ」はアナログ信号やパルス信号等の微弱な信号に被害を及ぼします。ノイズの特性を理解しそれに合った対策を取る事で悪影響を受けやすい精密機器を正常に動作させトラブルを未然に防ぐ事が出来ます。