Before (改善前)

 制御盤を製作する際、ノイズ対策として円筒形のフェライトコアを実装する事があります。

【メリット】
・他のノイズ機器に比べると、低コスト
・使用方法がシンプルで扱いやすい。
【デメリット】
・コアが剥き出しのため、破損しやすい。
・重量が有るため、電線に負荷がかかる。

円筒形のフェライトコアは、信号の反射によるリンギングノイズ等の対策に使用されます。フェライトコアは使用方法がシンプルで扱い易い部材ですがコアが剥き出しのため、衝撃に弱く破損しやすい欠点があります。また割と重さのある部材なので、細い電線等は負担がかからない様な実装方法を検討する必要が有ります。

V

After (改善後)

円筒2分割型のフェライトコアはケースが付いているため、衝撃に強い作りになっています。また既設ケーブルに後付の実装も可能です。

【メリット】
・ケース付きのため、衝撃に強い。
・既設ケーブルに後付が可能
【デメリット】
・材料コスト増加。
・取り付け時に電線等を挟み込む可能性がある。

円筒2分割型のフェライトコアは、衝撃に強く既設のケーブルを切断するなどの作業をしなくても取り付け・取り外しが出来るため、改造・改修作業に適したフェライトコアだと言えます。便利な部材ですが、取り付け時に、コアとコアの間に異物を挟み込んでしまうと、コアの持つインピーダンス特性が大きく変わってしまいます。

POINT(要約)

2つのコアを比較すると、2分割型の方が使い勝手が良く、また改修・改造作業などに適していると言えます。しかし、注意をしなくてはならないポイントもあります。取り付けミスによりフェライトコアの効果が得られなくなってしまう可能性があると言うリスクも頭に入れて作業にあたらなければ、せっかくのフェライトコアの意味がなくなってしまうので注意が必要です。尚出来る限り内径が小さい物を使用した方が効果があります。