Before (改善前)

温度計測における補償導線

熱電対とは、異なる材料の金属線2本で構成された温度センサーです。熱電対を使用した温度計測は、対象物側の接点と計測器側の接点に温度差を与えることで電位差(熱起電力)を発生させ、その電圧値より温度を測定しています。しかしながら熱電対の線は短い場合や熱電対の線が細い(または太い)ため接続できない場合があり、線を延長する必要があります。その場合、熱電対から測定器までの間で温度勾配が発生します。通常の導線をしようすると温度勾配のある部分であっても熱起電力が発生せず、測定結果に誤差が生じてしまいます。

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After (改善後)

温度計測における補償導線

補償導線は、熱電対と同じ熱起電力特性の金属を使用した導線です。そのため熱電対から測定器までの間で温度勾配が発生場合においても、熱起電力が発生し誤差を少なく測定できます。注意点としましては、熱電対には[K・J・T・E・N・R・S・B]と種類があり(JIS規格)、それぞれ+側と-側の構成素材や使用温度(または加熱温度)がそれぞれ違うため、補償導線も同じ種類に対応するように選定しなければなりません。また専用のコネクター(使用する熱電対と同等の熱起電力特性を持つもの)を使用することでより、誤差を少なくできます。

POINT(要約)

上記のことより、正確な温度測定を行う場合には補償導線が必要不可欠となります。また、補償導線を選定する際も温度測定を行う対象物の温度範囲や使用する温度センサー(熱電対)の種類や+側と-側の構成素材を理解し選ぶとともに、コネクタの選定も行わなければなりません。