Before (改善前)

制御盤製作時、コネクタ接続をする場所が多数存在します。同じコネクタの接続ポイント・同じ型式・同じピン配のコネクタを使用することが制御盤設計・製作において多く採用されます。

【メリット】
・コネクタの準備が容易。
・制御盤設計に工数がかからない。
【デメリット】
・コネクタ接続を間違う可能性がある。
・間違えたコネクタ接続をしていても制御盤が稼働してしまうことがあり、大きな不具合につながる。

制御盤設計・製作において、コネクタ選定の際、必要な極数・定格等を考慮して型式を決めるのが一般的な方法ですが、しかし同じ接続ポイントに同じ極数・定格で似た様なピン配のコネクタが複数存在すると、異なる回路のコネクタを接続してしまう原因になります。また、間違えた接続をしても装置が稼働してしまう可能性があるため、間違いに気が付かず出荷してしまう可能性が高くなります。

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After (改善後)

制御盤設計の際同じコネクタの型式やピン配をあえて異なる設計にする事により、接続を間違える可能性を大幅に減らす事が出来ます。

【メリット】
・コネクタ誤接続防止。
・コネクタ接続がしやすくなる。
【デメリット】
・コストがかかる。
・設計工数がかかる

制御盤設計の段階で3つのコネクタを同じポイントで接続する場合、二極のコネクタを一個・三極を二個用意します。二極と三極のコネクタでは接続する事が出来ないため、誤接続をする可能性がなくなります。三極のコネクタは接続間違いをする可能性がありますが、設計段階で異なるピン配にする事により接続間違いを防ぐ事が可能です。

POINT(要約)

コネクタ接続を間違えてしまう事も問題ですが、装置が稼働してしまう仕組みにしてしまうと更に大きな事故つながってしまいます。安全性の面を考えると取り入れたい設計方法です。しかし、極数の多いコネクタを使用する事によるコストの増加・人的ミスの可能性を考慮した設計が求められる事による設計工数の増加があり、コネクタの数が多い場合には、現実的な方法とは言えません。人の目に頼らなければならない部分とのバランスを考えて、設計者は適切なコネクタの指定をすることがトラブルに強い制御盤設計になると言えます。