半導体製造装置 制御盤のよくあるトラブル原因

半導体製造装置は、起動から運転開始まで温度調整のために時間がかかります。1度不具合等で停止させてしまうと1日当たり億単位の損害に及ぶ事もあると言われているので、不具合防止対策が徹底されています。しかし残念ながら避けられないのが初期不良です。配線ミスや設計ミスは導通検査や通電検査の段階において発覚し速やかに解決に至るため、大問題に発展するケースは少ないですが、怖いのが稼働後に起こる、誤作動・緊急停止です。

※ 主な原因として
【 振動 】
□ 振動による断線・ビスの緩み

  • 振動対策として、ブッシングによるエッジ処理、固定具を使った結束
  • ビスの緩み防止対策として、トルクドライバーによる締め付け確認・トルクドライバーの管理

【 ノイズ 】
□ ノイズによる誤作動

ノイズは目に見えない物です。環境により変化したり、不定期に発生したりするため、原因の究明が困難で再現が難しく検証に時間がかかります
設置先(装置外部環境の変化)で起きる事のない様、半導体製造装置内には万全のノイズ対策を施す必要があります

【 静電気 】
□ 静電気による素子の破壊

静電気は静電気放電により電気部品を攻撃・破壊する力を持ちます。例えば、基板不良の不具合原因が静電気と診断された場合、元凶である人間の責任が問われます。半導体製造装置には高額な特殊基板が多数構成されており、絶縁物を排除し、人体をゼロ電位に保つ事は半導体製造装置制御盤を製作する上で、保障の意味でも絶対条件になります
※ 以上の不具合原因は、不具合因子の特定に時間がかかり過失が認められると膨大な損害賠償につながる恐れがあります。ルールを作り、ルールを守り、ルールを正しく伝える事が大切です。