Before (改善前)

制御盤製作時、部品の取り付けを行うための下処理として穴開け加工があります。通常金属板に穴開け加工を行う場合このようなドリルビットを用います。

【メリット】
・材質の種類、厚みの範囲が広い。
・耐久性が良い。
【デメリット】
・裏側にバリが残る。
・切り粉が多く出る。
・刃先がぶれるため、精度が下がる。

制御装置の制御盤の加工には一般のドリルを使用します。一般のドリルは、制御盤の筐体板を貫通すると切りくずが穴の周囲にバリとなって残ってしまいます。制御盤の板厚が1.6mmなどの薄い板に大きな穴を開ける時には、先端が先に貫通してしまうので真円度が悪くなります。ドリル自体の耐久性は高いので長く使用できますが、バリの発生や加工精度の修正に工数がかかってしまいます。

V

After (改善後)

この様にドリルビットを研ぐ事で制御盤製作の要である部品取付に大きな効果を得る事ができます。

【メリット】
・中心がぶれないため、精度が上がる。
・裏側のバリが出にくい。
【デメリット】
・厚い板金には向かない。
・耐久性が良くない。

制御盤の筐体に穴をあける際に、一文字研ぎまたはローソク研ぎと言われる特殊工具による穴あけをすることで、制御装置の制御盤製作の工数アップの増加につながるバリを極小に出来ます。また、裏側に落ちる切り粉がほとんど出ないので、制御機器に切子の混入が発生しにくいため、制御盤の追加工にも向いています。そのため、制御盤製作における工数削減に非常に効果があります。

POINT(要約)

制御盤製作の工程である、制御盤の筐体への板金加工や銅バーの穴開け加工に一文字ドリルを採用する事により、裏面にバリがほとんど出ない事により、工数の削減につながります。さらに、加工精度が上がる事で高品質の制御盤加工が可能になります。