Before (改善前)

基板取り扱いについて、ICを基板に取り付ける時や基板にコネクタを接続する際には、細心の注意を払いながら作業をする事が大事です。

【メリット】
・作業効率が良い。
【デメリット】
・静電気による破損。
・基板に保証が持てない。

ICが組み込まれている基板や制御機器は、非常に繊細に出来ています。取り扱いを間違えるとすぐに破損してしまい、中でも静電気はICにとってトラブルの原因になります。ICは絶縁性の高い酸化シリコンでコーティングされていますが、静電気によって一時的に高い高圧の電気が流れると、酸化シリコンの絶縁層が破られ、中の回路にキズがついてしまいます。そうした現象を静電破壊と言います。

V

After (改善後)

基板の取り扱いでは、作業者やIC等の精密機器に地絡対策を施す事によって、ICや基板全体の破損確率が大幅に下がります。基板内の一部が破損した場合、破損個所を発見するまでに大変な時間がかかります。地絡対策をする事によって、不具合現象を減らす事が出来ます。

【メリット】
・静電気による破損確率が減少する。
・基板に保証が持てる。
【デメリット】
・作業効率が悪い。

MOS型と呼ばれる半導体は、約80~100Vの電圧が掛るだけで半導体としての機能が失われてしまいます。人体にチクッと感じるだけの静電気でも、瞬間的に1万~3万Vの電圧が掛ります。その電圧差を見れば、静電気対策をして作業しなくてはいけない事が解ります。

POINT(要約)

静電気のトラブルは破壊が起こっても見た目では確認出来ない所です。見た目に異常が無くても、実際にはICが機能していなかったり、機能が低下してしまいます。機能が完全が停止していれば、発見は容易ですが、機能低下の場合は発見が極めて困難です。機能低下現象が起こると基板全体は動作していますが、本来の性能が発揮出来ず、装置・機器の機能低下や寿命に影響します。従って、リストバンドやチェッカーを使用し静電気対策を施す事によって全体的な機器の耐久性の向上につながります。